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3)協会の歩みと活動



団地産業協議会発足から20年、現在に至るまでの活動と流れについて、団地再生支援協会の活動の視点を俯瞰したのち、4つの時間ステージに分け活動の沿革を見ていきます。


①支援協会の活動の視点

右欄に産業協議会発足から現在に至るまでの活動を年表としてまとめていますが、協会は「住環境の再生・コミュニティの再生・ハウジング経営の再生」を実現するため、3つの視点で活動を行ってきました。


[団地再生の必要性の周知・啓発活動]  発足当初から、団地再生シンポジウムの開催、出版事業等を行っています。また、これからを担う世代を育むために「集合住宅再生・団地再生・地域再生学生賞」を発足当初から続けています。


[管理組合や専門家への情報提供と研究活動]

団地再生の仕組みや関連技術について講座開設、技術資料集の編纂等を行うとともに、内部の活動として視察研修・研究会開催などを行っています。


[プロジェクト支援]

再生事業モデル検討及び団地管理組合に対しての具体的な再生プロジェクト支援(国交省の補助事業活用)を行っています。

②団地再生産業協議会から社団法人化まで

内田祥哉先生を会長に設立された産業協議会の名称 は、将来大きな社会課題になるであろうと考えられる 団地再生は、仕組みや計画論だけでなく産業・ビジネスモデルとしての検討が重要との認識から付けられま した。


この視点から、N社社宅をモデルとして、事業面を含んだ再生計画を検討しました。また、啓発活動としてシンポジウムの開催、団地再生卒業設計賞(現集合住宅再生・団地再生・地域再生学生賞)創設、合人社計画研究所と共同しての出版活動などを設立当初から開始しました。


③社団法人設立から近藤会長退任まで 2009年に一般社団法人化を行い、近藤正一氏が会長に就任、産業協議会の活動を承継するとともに澤田最高顧問の推薦もあり、明治大学で「団地再生実践講座」を開設、団地再生に向けた内容別に4編のガイドブック編纂、国交省補助金を活用しての個別団地の再生プロジェクト支援、再生の個別技術を紹介する「団地再生テクニカル講座」開設等を行いました。


④松村会長の就任から今日まで

2016年会長を東京大学松村秀一教授にバトンタッチ、HEAD研究会から若い研究者の協会への加入、会員企業の女性などで構成する「団地女子会」創設など、協会の若返りを図りました。また、ビックサイトで開かれるジャパンホームビルディングショーに「団地祭り」をコンセプトにブース出展する試みを実施しました。新たな試みとして、外部と専門家や研究者を交えて「更新による団地再生研究会」を立ち上げ、団地再生課題整理や提言を行う仕組みに取り組んでいます。



以上、前身の団地再生産業協議会から現在に至るまでを概観してきました。昨今、団地老朽化・空き家問題など社会問題として団地再生が注目され、国でも建替え、再生の仕組みの検討は進んでいますが、総体として集合住宅や団地の再生に対する特効薬はなく、老朽化は年々進んでいます。今年で設立20年を迎える協会は、現状を正しく認識し、今後とも高経年集合住宅や団地再生に寄与する活動を続けていきます。





 

理事 副会長・アール・アイ・エー 砂金 宏和



 

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